masubasionist

高学歴からニートへ。華麗な転身を遂げたbutchさんの様子。

07 September, 2005

日の名残り/KAZUO ISHIGURO

この本は、友達のお父さんが、家を改装するにあたり本を大量に処分する際に
僕にくれたもので、
本当はそのお父さんについても言及したいんだけれど、
それは こんな2Dの世界で表現するのは失礼(というか不可能)なので諦め、おとなしく
読書感想文を書きたいと思います。

この本は、日系人(というか、日本人だけど日本語しゃべれないくらいイギリスに住んでたらしい)
である KAZUO ISHIGUROが 史上初めてイギリスで言うところの芥川賞的な賞を取ったってゆう
なかなかパワーを感じる作品の予感がしてた訳です。
その期待はちょっと不思議な形で裏切られました。
登場人物(特に主人公)は細心の注意を払って主人に仕える 給仕で、
感情的な描写は全くといっていいほど見当たらないのに
本に向かっているこっちの気持ちはグラグラ揺り動かされてしまうんです。
電子レンジの波のように、目に見えない波にあたためられるっていうか、
見えない何かに強く心動かされる っていうのが本を読む体験の中では初めてのことで、
すごく新しい気がしたんです。
自分はradicalって言われたり、時々それを自覚しちゃう瞬間もあるのですが
何かを放射することが 人に影響を与える唯一の方法なんじゃないんだっていうことを
見せつけられた気がしました。
物静かな少年に惹かれちゃう瞬間があるのと同じかな(笑)

読んでて『面白いなぁ!これ!!』っていう感じではないんだけど、
読む意味のある作品だと思いました。

この本をくれた某パパに感謝と敬服の思いでいっぱいです。

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